書道に流派はあるのか!流派や会派の違いと特徴を紹介?

書道
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流派と聞いて想像するのが、日本の伝統的な華道、日本画、或いは茶道、柔道、弓道などで古来の伝統を守る印象のものでしょう?

このような古来から受け継がれた分野の共通点は、様式化された技術を引き継いでいるという点で共通しています。

幼児から大人まで幅広い年齢層の人に、指示されている毛筆や硬筆にも流派があります。

書道の流派についてこの記事では紹介します。

書道の流派が出来たきっかけは!

9世紀に活躍した(空海、嵯峨天皇、橘逸勢、)を日本三筆と言います。

日本三筆の他に、平安時代中期(10世紀)に活躍した三人の能書家、藤原行成、小野道風、藤原佐理を(日本三蹟)と言います。

この三蹟(藤原行成、小野道風、藤原佐理)が書道において流派に大きく関わっています。

藤原行成は「権跡」、小野道風が「野跡」、藤原佐理が「佐跡」この三人の筆跡を後一条天皇に献上された記録が残されています。

この三蹟によって現在の和様書道に大きな影響を与えました。

このことによって書道は「書いて楽しむ」ことから、「観て楽しむ」ということへ変化していきました。

その後、鎌倉時代から室町時代に時代を経て書道の流派が確立していきます。

室町時代には藤原行成の流派で4つの流派の勢力がありました。

流派について詳しく紹介していきます。

書道に流派はあるのか!流派の種類とは?

世尊寺流 世尊寺流は、藤原行成を祖として一番古い書道流派。「世尊寺」とは藤原行成の母方の代明親王の邸宅内に建てた寺で子孫が代々受け継いで世尊流を名乗って世尊寺の名で受け継がれました。尊円法親王もこの世尊寺流を学び書道の研究をしたと言われています。しかし、室町時代にこの流派は当主と共に消滅しています。この流れを受け継いだのが「持明院流」「尊円流」がこの流れをくみ日本書道の繁栄に貢献しました。
尊 円 流 世尊寺流の流れを受け継いで「御家流」「青蓮院流」「粟田流」とも呼ばれ尊円法親王の影響で広まったことから「尊円流」として広まりました。この書風は、青蓮院流の寺の住職に受け継がれ室町時代に使用されました。江戸時代には、「御家流」と呼ばれ「尊朝流」や有栖川流などの流派に派生していきました。
法性寺流 法性寺流は藤原忠通を祖として流派の一つです。小野道風や藤原行成の優雅な書風の影響を受けて、それに雄大さを加ったのが特徴で、鎌倉時代を代表する書風。藤原忠通が法性寺関白と呼ばれたことに由来しています。
持明院流 日本式を好んだ徳川家康の江戸幕府公文書にも採用されていましたが、明治維新に江戸幕府の書風であることが容認されず衰退しました。持明院家は世尊寺流17代世尊寺行季が享禄2(1529年)に亡くなった事を機会に後奈良天皇が持明院基晴に継承させたことが始まり伝わっています。
有栖川流 有栖川流は、江戸時代後期に書道を世襲していた有栖川宮第5代職仁親王によって創始されました。第8代織仁親王によって大成。現在の皇室に於いては秋篠宮文仁親王と正仁親王妃華子が宣仁親王妃喜久子より伝授され継承されています。
光 悦 流 江戸時代初期の書家「寛永の三筆」の一人本阿弥光悦が祖である和様書道。

光悦流は装飾性が豊かで特徴は独特な書体、平安時代の古筆が手本。

禅林墨跡 禅宗の高僧の筆跡を禅林墨跡といいます。精神的な内容を表すものとして独特な風格が珍重され鑑賞の対象になっています。
尊 円 流 尊円流の一派であり、伏見宮邦輔親王の6番目の子である尊朝法親王が発展させた流派です。この影響を受けて御家流ができたと伝わっています。
竹 峰 流 1980年頃に望月秋羅によって生み出された書道の流派で、竹の根を筆にして文字を書くことで、独特な文字のカスレが生じ風情と共に趣が表現できます。

和紙に書くと美麗で力強い書体が表現できます。

書道に流派はあるのか流派ではなく会派で選ぶ!

現在では流派は数千にも及ぶほど派生して「流派」という概念では明確に分ける事ができないほど派生しています。

書道会は日本画や華道みたいに流派が分かれているのではなく、それぞれ個人が師事した先生の筆法を弟子・生徒が長年かけて習得してそれを培った弟子が師匠の書風を真似て書くことが一般的です。

書道会においては、流派より各書道団体の会派と言う表現で表します。

書道の会派とは!

会社のように組織的な団体で会派によって書く文字や特徴が異なります。

日本書芸院に登録の会派は「漢字会派」21派「カナ派」17派後「篆刻会派」があります。

「漢字会派」は漢字を書く「カナ会派」はカナを書く会派です。

「篆刻会派」は、署名印である落款等に使用する印に刻す文字(篆書)を書く会派です。

入りたい会派がなければ個人で会派を作る事もできます。

それによって現在では複数の会派があります。

芸術系の会派

1つ目の会派は芸術系の会派で、有名な会派では「毎日書道会」があります。

実用的な書道と違いアートのような筆法が特徴で芸術的なセンスが必要な会派です。

型にはまらない文字を書きたい方に向く会派です。

芸術系の場合は、書道師範の資格を取得することを目的ではなく、書道展での受賞歴でそれから先をきめていします。

展覧会では読売新聞社の「読売書法展」、朝日新聞社の「西部朝日展」などがあげられます。

「古典」や「古筆」を習得してなおかつ「古典」や「古筆」で学んだことを和紙に表現します。

その他、創玄書道会、日展(日本美術展覧会)、産経国際書展、謙信書道会などの会派があります。

教育系の会派!

「日本書道教育学会」があります。芸術系の書風とは違って漢字と平かなで調和よく書いたものが特徴です。

誰でも読めるきれいな文字や純粋な書道を学びたい方には教育系が良いでしょう。

参考までに書壇院、日本教育書道連盟、日本習字教育団体、清風会、日本書写技能検定協会など様々な会派があります。

それぞれに違いがあります。

自分の目的や感性と先生のお手本を観て、自分の目的や感性にあったものを決められたら良いでしょう。

ま と め

「書道の流派」は上記で紹介したとおり現在は存在していませんので、各書道団体の「会派」で決めています。

そのために日本全国統一した資格もありません。

そのために書道を習得したい方は、自分の感性にあう書道を選んで下さい。

書道を楽しむことを、まず一番大切にして決められたら良いでしょう。

これから先、書道を初めようと思っていらつしゃる方のために、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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