「かな書道」を勉強したい時は、まず基本の「いろは」の書き方を勉強します。
独学で勉強しようと思って自分で手本を真似て書いても、初心者には難しいと思います。
お手本は書店やネットからも手に入りますが、最良の方法は自分の好みの書風の先生で日本美術展などの会員の方に指導を受けるのが、一番ベストな方法かと思います。
実力のある指導者について、「いろは」の基本からならって、その指導に従って練習したほうが力がつくと思います。
その基礎的な事が予備知識として身に付いたら、それから日本の古筆を勉強されることをおすすめします。
基本の「いろは」がしっかりと身に付いてないと、いきなり古筆を勉強しようとしてもなかなか難しいと思います。
実力のある指導者で自分の好みの書風の指導者に指導を受けられたほうが上達します。
書道かなの魅力は!
「かな書道」は日本で平安時代に誕生して、日本の気候風土に合わせて独自の進化を遂げて現在にまで受け継がれて来ました。
軽妙な麗しい流れと明朗な印象を感じます。
「かな書道」を勉強したい方は、軽快で麗しい流れや、やわらかな曲線に魅力を感じられるのではないでしょうか。
中国の漢字は厳しい気候風土が影響しているせいで、建築的な力強さと躍動感があります。
日本の「かな書道」は温暖な気候風土の影響で繊細で流れるような麗しい温和な印象があります。
書道かなには大字中字細字と種類があります!
「かな書道」と言っても「大字かな」、「中字かな」、「細字かな」と種類もいろいろあります。
筆も書く文字の種類によって違いますし、紙(和紙)、料紙も書く文字の種類によって違います。
墨の扱い方にも繊細な経験が必要です。
それと古筆の中でも関戸本古今集や高野切、和漢朗詠集などたくさんあります。
その中の関戸本古今集だけでも、その古筆の原寸のままその古筆を見ないでも書けるくらいに目で見て手が覚えて書ける程に練習することが大切です。
これくらいの予備知識がないことには、古筆だけを見よう見まねで最初から独学となると少し厳しいと思います。
初心者の方は、自分の好みの書風の先生に少しの間だけでも指導を受けられたほうが成長が早いと思います。
基礎から指導を受けることをおすすめします。
それと勉強する目的があると思います。
いろいろな展覧会場や博物館の「かな展示作品」を読んで理解出来ればよいのか、日常生活で実用的に暑中見舞いや年賀状を書けるようになるのが目的か、公募展に出品したいのかそれぞれ目的によって違いがあると思います。
読めるようになるのは万葉仮名を暗記すれば読めるようにはなります。
独学で勉強して最短で展示作品を読めるようにはなります。
実用書道でハガキに暑中見舞いや年賀状を書いたり、公募展に出品したりできるようになるためには好みの書風の指導者に指導を受けながら地道な努力が必要です。
最短での習熟は難しいです。
書道かなを勉強したい時のおすすめの古筆!
中国の古典には唐の時代の王羲之を始め(虞世南や欧陽詢や褚遂良など)唐の三代家、顔真卿のなど書道の古典があります。
まず古筆とはどのようなものかという事について、古筆とは日本の古典を古筆といいます。
もともとは漢字の発祥は中国ですが、平安時代の日本三筆(空海、嵯峨天皇、橘逸勢)その後の日本三蹟(小野道風、藤原の佐里、藤原行成)などにより中国の漢字から、日本のひらがなが作り出されました。
平安時代から鎌倉時代にかけて書かれた和様の作品を古筆と言います。
このような現存する作品は本来は、冊子や巻物として完全な形をしていました。
古筆愛好家の絶対数の多さから、古筆が不足してもともとは巻物であった物が切断されて、その切断されたものを「切れ」と呼んで古筆切が誕生しました。
日本での書道と言うと「かな書道」ですが、かなを勉強する人にとって古筆は大切な手本になります。
古筆は平安時代から鎌倉時代の偉人の遺した作品です。
高野切は第1種から第3種まであります。
色紙においては、針切から継色紙や寸松庵色紙、升色紙や関戸本古今集、粘葉本和漢漢朗詠集と数多くあります。
高野切は日本で最も古い古今集です。
墨の潤筆(潤った線)や渇筆(墨のかすれた線)太細(太い線、細い線)で線の緩急や抑揚(メリハリ)のある表現で品位の高い書体の作品です。
私個人的には和漢朗詠集を習ってから関戸本古今集をならいました。
和漢朗詠集は平安時代中頃の詩歌で白楽天を主にした作品が多くあります。
漢文学作品を始め拾遺和歌集や三代集からも和歌を掲載しています。
特徴として温和な印象があります。
粘葉本和漢漢朗詠集もありますが現代的(モダン)で爽やかな印象があります。
カナの基本的な運筆法を備えながらも繊細で優雅な感じが印象的です。
温和な感じで固苦しさのない和様の雰囲気のある漢字で書かれています。
関戸本は細字のなかでも小さめのひらがなの連なった作品で、古筆の書体は男手と女手がありますが、関戸本は女手で書かれた作品です。
数多くの古筆が現存しますので基本的な事を勉強された後、自分の好みにあう古筆を探して下さい。
書道かなを勉強したい時の和紙の選び方!
かな書道の細字練習用紙にはロール紙をおすすめします。
表が、なめらかで滲まず細字かな用には表現しやすく書き心地が良く抵抗なく違和感のない運筆ができます。
墨色もきれいに出ます。
かな細字は筆そのものが細い面相筆を使います。
抵抗のある紙では自分の意志通りの線を書けません。
ロール紙であれば滑らかで自分の意志通りの表現ができます。
1袋に100枚がセットになっています。
寸法は幅24.2cm 奥行き33.3cm 高さ5mmで販売されています。
価格は571円です。
2尺(53cm)✕6尺(170cm)のこの紙のサイズは展覧会用の額のサイズです。
額全体に文字を書くのではなく、マット部分(背景)が見える作品の創作は少し小さめに仕上げるために2尺(53cm)✕6尺(170cm)の紙に創作します。
マット部分を見せない時は2尺(60cm)✕8尺(180cm)の紙に創作します。
書道かなを勉強したい時の筆の選び方!
細字用の筆は鼬(イタチ)鼬(イタチ)面相筆が相応しいです。
個人的には久保田号作の面相筆を1回の創作に5本用意します。
個人的な主観ですが、新しい面相筆に市販の墨汁を筆全体に付けて乾かしそれを2回位繰り返します。
そうすると筆に芯が出来て書きやすくなります。
真似てみて下さい。
公募展に出品する時は中字用の全壊紙のサイズは、36.3cm 50cmの和紙3枚と半分使用します。
横の長さ50cmの1cmに1枚ずつ創作出来てから糊付けします。
これを3枚と最後は半分の25cmを糊付けします。これで完成です。
中字用筆は3,000円前後で、市販の筆があります。
現在はネット上で検索されると種類も豊富にあります。
中字兼毫筆が数多くあります。
中字、大字ともに馬、鼬(鼬)タヌキの天然の毛で出来ています。
大字用筆は1万円前後で販売されています。
羊の毛は柔らかい書き味で表現できますが、毛が柔らかく、初心者のうちは抵抗を感じると思います。
一般的に馬と鼬(いたち)毛や狸(タヌキ)の天然の毛のものが硬めで使い易いでしょう。
最近は少し人工毛の入った筆もあります。
創作の前の筆の事前準備は、細字用ほどに必要ないですが、中字、大字用筆も新しい筆をいきなり使うのではなく事前に書き味を試されたほうが公募展の創作の時は安心して創作できると思います。
創作の参考になれば有り難いです。
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