中国の筆と日本の筆の違いについて! 命毛の出し方が違っています?

書道
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筆は書道をする人には、和紙と墨と同様に書くためのなくてはならない大切な道具です。

筆は命毛により、作品の出来ばえに、大きく影響します。

 

書道は弥生時代に大陸の中国が発祥の地です。その先人の恩恵を受け継ぎながら書道と言う文化はきょうまで続いています。筆用具の筆は大切な役目を果たます。

 

書道で普段当たり前のように使う筆ですが、筆でも日本の筆と中国の筆は当然違います。

この記事で、その毛筆について、日本の筆と中国の筆の違うことについて述べていきます。

 

 

日本の筆と中国の筆の違いは、命毛の出し方が違います

 

日本の筆と中国の筆の違いは、いちばん大切な命毛と言う筆穂先の毛の出し方が違います。

 

命毛と言うのは、筆の先の一番長い毛の呼び方です。日本で作られた筆は先の毛がよく揃って、鋭いことが特徴です。

 

この特徴によって、中国の筆とは違った表現ができます。この命毛によって作品を創作した時に大きな影響があります

 

また、日本で作られた筆は価格の安い中国の筆と比較して高価なものが多いですが、それは職人による手作業で作られているものは筆の品質も良く、比較的長く使用出来ることも特徴の一つです。

 

その他、中国の筆と日本の筆の決定的な違いは毛の種類、品筆が違います。

 

中国の筆は昔から兎(うさぎ)の毛が使用されている事が多く、日本の筆には大筆は鹿や馬や狸、小筆はイタチの毛が多く、硬い毛の剛毛(ごうもう)で独特の弾力性があります。

 

個人的な主観ですが、価格は少し高めでも日本筆は書いた時にイメージ通りの創作が出来ます。

 

一度自分で使ってみて違和感のない筆がおすすめです

 

 

日本筆の歴史も中国が始まりです!

 

書道が中国の王羲之からはじまっているように、筆の歴史は中国が起源です。

 

そのため日本の筆は中国の筆を真似たものですが、その中で日本の筆も日本の気候風土に応じて発展して来ました。

 

中国と日本の筆を比較した場合、日本で作られた筆の方が職人が1本づつ丁寧に作っていますので仕上がりが丁寧です。

その大きな違いは命毛の出し方に違があり筆先の揃い方は日本の筆のほうが鋭く出来ています。

一方、中国の筆の長所として価格の安いことです。

現在も、中国からたくさんの筆が輸入され、日本の筆より中国の筆の価格は安いです。
特徴としては、中国の筆は材料に兎(うさぎ)の毛(白い毛)が多く使われていますが、日本には兎の毛(白い毛)が輸入されていません、ですので日本で作られる筆に兎毛のものはありません

 

筆の使い心地は創作によってもそれぞれに好みがありますので、個人で使っていただいて、良さを体験されるのが一番良い方法かと思います。

筆は使って見ないことには目で見ただけでは書き味は分かりません手作りですので、形は同じでも微妙に書き心地が違うことがあります。

 

私が使ってみての感想ですが、5本使ってその中で書き味の良い筆が2本あれば良い方です。同じ価格で同じ作りの筆でも当たりハズレがあるのが筆です。

あまりに書き味が悪いと創作の作品が不出来では困りますが、違いを楽しむという点で筆を色々と使うのも良いでしょう。

 

中国には日本の「万葉仮名」で創作するような日本書道独特の「かな書道」がないので、万葉仮名で創作しないので、中国の筆には、「万葉仮名」の創作筆はありません。

 

「かな書道」細字にはイタチ面相筆がおすすめです。

 

 

中国の筆の起源!

 

筆の起源は、大変古く、過去の歴史によって考察できます。

 

筆が初めて作られたのは今から約4,000年前の(前2,500年頃)で新石器時代の終わり頃の彩陶(さいとう)にも筆状の筆記具で描いたと思われる形跡があり、筆と似たような物が存在したと伝えられています。

 

気の遠くなるような古代の殷(いん)の時代(前17世紀ごろ甲骨文字が筆のような筆記具を使って書かれたような形跡が残っていて、殷(いん)時代かその前から筆のような筆記具がありました。

 

確認出来る最もっと古い筆記具は、戦国時代の礎(そ)~前223年)の遺跡から発見され、長さ16cmの細い管をさいて、兎(うさぎ)の毛を、糸で結んで漆(うるし)で固められています。

 

秦代(しんだい)(前221年~前202年)には蒙恬将軍(もうてんしょうぐん)が筆らしき先に1種類ではなく何種類物の動物の毛を使って筆作りにいろいろと工夫していました。

 

現在のような動物の毛を使って作った筆記具は、秦の時代、蒙括将軍(もうてんしょうぐん)が発明した筆記用具と言われています。

 

日本に筆が伝来したのは、大和時代の初めで、中国から伝わっています。

 

 

中国の筆作りの技術の発展

 

その後も技術が洗練されつつ、漢代の木簡と共に「居延筆」(きょうえんひつ)という筆は、前75~57年頃作られた筆で、長さ21cmの木の軸に端を四つわりにした後、1.4cmくらいの穂先の2ヶ所を麻と思われる糸で縛って、漆で根本を固めて作られています。

 

毛の種類ははっきりわかりませんが、現在の筆とかなり似た形をしていて、現在の筆にだいぶ似た筆記具です。

 

気の遠くなるような昔から言葉を伝えるために筆を作り、使われていた事に先人の創意工夫と知恵を素晴らしく思います。

 

 

日本における筆の歴史!

 

日本では、仏の教が広まった奈良時代に仏の教えを写す「写経」が普及して、筆の需要が高まり全国地域13カ所で筆作りが行われるようになりました。

 

その後、平安時代になって筆作りは増え全国28カ所で作られるようになり、日本三筆、書の名人空海(弘法大師)が、当時の最新技法の最も新しい技術を中国から持ち帰り、筆の匠に伝えて筆を作らせ朝廷に献上したそうです。

 

 

江戸時代には教育が一般に広く普及しました!

 

江戸時代になると、教育が一般人にまで広く浸透したことで、読み書きをする筆記具として筆が必要になり、一方、上流階級の人たちが使う高級な筆の制作は専門の筆師が作り、極めて高い技術を競うようになりました。

 

この頃からさらに多くの馬や鹿、タヌキ、イタチなどの動物の毛が使われるようになって需要が高くなります。

 

明治時代に入り、東京、京都、奈良、豊橋、川尻、熊野などで、専門の業者が企業として生まれ変わったり、新しく誕生して、より多くの人へ広まっていきました。

 

約4,000年という想像も出来ないような昔に、皆さんほとんどの人が一回は使ったことがある筆記具の毛筆の原型が誕生していた事に、改めて先人の技術と知恵に頭の下がる思いがします。

 

記録を残す道具としての筆記用具の筆、古から現在まで我々の大切な道具であり、書という文化を育んでくれた先人の恩恵にあらためて感謝したいと思います。

 

最後まで読んでいただだきありがとうございました。

 

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