鎌倉時代以前は「桓武天皇」(かんむてんのう)が平安京、現在の京都府京都市に都がありました。その政治の中心であったのが、初めて都が関東(鎌倉)に幕府が置かれ鎌倉時代が始まりました。
本格的な武家政治になった時代です。
800年前の事ですが現在でも所縁(ゆかり)の神社仏閣が数多く残っていますよね。
平安時代は約400年で京都では皇族や貴族中心の文化であり、武士は元来皇族や貴族をお守りする立場でした。
しかし、元来皇族や貴族をお守りする立場の武士が力をつけて勢力を高めていきます。
一番偉いはずの朝廷が一番恐れていたのが、平清盛です。
平清盛はもともとは北面の武士ですが、武士に関わらず朝廷の行う政治でも太政大臣迄登りつめます。それでも平家でも絶対的な武力を保つ事は出来ませんでした。
源頼朝率いる兵士が平氏を倒します。
平治の乱で一時は負け戦に終わり源頼朝は流罪になりますが、勢力を取り戻し平氏を倒し実権を握ったのが源頼朝で出来た幕府が鎌倉幕府です。
鎌倉時代の天皇は初代天皇から15代天皇まで?
初代天皇の後鳥羽天皇から15代天皇までです。
初代天皇 後鳥羽天皇 1183~1198
2代天皇 土御門天皇 1198~1210
3代天皇 順徳天皇 1210~1221
4代天皇 仲恭天皇 1221
5代天皇 後堀河天皇 1221~1232
6代天皇 四条天皇 1232~1242
7代天皇 後嵯峨天皇 1242~1246
8代天皇 後深草天皇 1246~1260
9代天皇 亀山天皇 1260~1274
10代天皇 後宇多天皇 1274~1287
11代天皇 伏見天皇 1287~1298
12代天皇 後伏見天皇 1298~1301
13代天皇 後二条天皇 1301~1308
14代天皇 花園天皇 1308~1318
15代天皇 後醍醐天皇 1318~1339
鎌倉時代の人物や文化について
源頼朝が、鎌倉に幕府を開き、武士が政権を握った時代のことを鎌倉時代といいます。平安時代の貴族文化と武士の文化が一緒になって新しい文化が発展、この文化が鎌倉文化です。
鎌倉時代の文化はこれまでの貴族中心の国風文化に、武士の精神や中国文化が新しく加わった質実剛健な文化へと変化しました。彫刻や文化、絵画が発展して新しい文化が多く生み出されます。
彫刻
鎌倉時代は、日本彫刻のルネサンス時代とも呼ばれ、鎌倉時代を代表する「慶派」と呼ばれている仏師集団の活躍によって写実的で力感あふれる仏像や肖像彫刻がたくさん生み出されました。
東大寺南大門 金剛力士像
奈良市にある東大寺南大門の金剛力士像は鎌倉時代の代表的な彫刻です。寺の守り神として南大門の左右に配置されています。
左側が阿行、右側が吽行といい、仏敵や邪悪な者は金剛杵により粉砕すると言われています。金剛力士像は、もともと奈良時代に造立されていますが、平重衡らの南都焼討により焼失してその後再建されました。
金剛力士像は、8.4m、重さ約6.67t、左右合わせて一対の仏像となっていて生と死、始まりと終わりを表していると言われています。
興福寺 無著菩薩立像・世親菩薩立像
興福寺の北円堂にある無著菩薩立像と、世親菩薩立像も鎌倉時代を代表する彫刻作品になります。像高は2メートル近くある寄木造りで、目には玉眼がはめられています。
いずれも国宝に指定されている日本彫刻の傑作となっています。
鎌倉時代の文学は! 平家物語などの軍記物語が登場します
鎌倉時代は、平安時代の源氏物語のような恋愛小説から戦いをテーマにしている物語へと変化して武士同士の戦を描いた平治物語や平家一門の平家物語などの軍記物語が登場しました。
鎌倉時代の代表的な文学作品である平家物語は全12巻の軍記物語になります。
源平合戦の描写を軸に平清盛が太政大臣となった時から、壇ノ浦で滅亡するまでの栄枯盛衰とさまざまな人間模様が描かれています。
実際にあった出来事をもとにして平安時代のような詩的な表現を織り交ぜた新たなスタイルで後世日本の文学・演劇にも影響を与えました。
和歌集 新古今和歌集が編纂されます
万葉集や古今和歌集に並ぶ三大和歌集の一つ新古今和歌集は、後鳥羽上皇の命により編纂された勅撰和歌集です。
新古今和歌集の制作には1201年~1216年と15年以上の歳月がかかったとされ、収録された和歌の数は1900首以上です。
随筆 万丈記(鴨長明)
方丈記は日本三大古典の一つで鴨長明により書かれた随筆になります。随筆は自分の考えや見聞きしたことなどをありのままに書いた文章のことです。
随筆 徒然草(吉田兼好)
徒然草は、卜部兼好(吉田兼好)により書かれたものと言われている日本の三大随筆の一つです。全244段で構成されていて、友人・自然・恋愛など和漢混交文と和文で書き記されています。
絵巻物 紫式部日記絵巻
鎌倉時代における代表的な絵巻物として紫式部日記絵巻があります。平安時代に紫式部により書かれた日記をもとに作られた絵巻物です。
鎌倉時代の肖像画 似絵!
平安時代末期から鎌倉時代にかけて似絵といわれる肖像画が登場しました。藤原信実により完成したと言われています。
源頼朝像 平重盛像
立体的表現が美しい源頼朝像は、藤原隆信の作品で重厚さが感じられる肖像画になります。平重盛像も藤原隆信により書かれている似絵で国宝に定められています。
後鳥羽天皇像 花園天皇像
後鳥羽天皇像は、似絵の代表的な作品で国宝に指定されています。藤原隆信の息子藤原信実の作品になります。
鎌倉時代の仏教は! 鎌倉仏教
平安時代末期から鎌倉時代の間に誕生した仏教は鎌倉仏教と言われています。民衆や武士の間で広まった浄土宗を始め、中国の影響を受けた仏教も多く誕生しています。
浄土宗 浄土真宗
浄土宗は比叡山で天台宗を学んだ法然が開き、念仏を唱え続け、穏やかな生活を送ることこそが極楽浄土にいくための道であると説き、主に貴族や武士に広まりました。
現世で努力して幸福になることを諦め現実逃避で幸福は遥か彼方にあると解いた本来の仏教徒からはかけ離れた教えです。
時宗
時宗は、鎌倉時代末期に一遍によって開かれ、総本山は、神奈川県に位置する清浄光寺です。
日蓮宗
日蓮宗は日蓮が開いた鎌倉時代の仏教で日蓮法華宗とも呼ばれています。仏の教えの中でも法華経を拠り所にして南無妙法蓮華経と唱えることで救われると説きました。
日蓮宗は仏教でありながら、日蓮が考えた独創的な宗教であることが特徴になっています。
臨済宗 曹洞宗
臨済宗は、中国の僧侶でもある「明庵栄西」によって開かれました。禅の概念をはじめて日本に持ち込んで、修行者たちに激しい喝を与えたり、棒で打ったりする激しさが特徴になっています。
同じく、禅宗の一派である「曹洞宗」は、中国の僧侶である「桐山良价」(とうざんりょうかい)によって開かれ、「臨済宗」、「黄檗宗」とともに、「日本三大禅宗」のひとつになっています。
神奈川県の総持寺と福井県の永平寺を大本山として、念仏を唱えないでただ座禅の修行に打ち込むのが最高の修行と説いています。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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